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技術をデザインする事の大切さ。

技術をデザインする事の大切さ。

2015-10-31T22:39:00+00:00 2015/10/31|サイクリング|
今回お預かりしたバイクは、数年間バラす事無く使用されていたバイク。
意外にもBB(ボトムブラケット)パーツを外すと、錆は発生しておりませんでした。
が、ネジになっているBBの取り外しがとても固く、
なかなか最後まで手で回して緩めることが出来ません。
さらに外してみると、BBパーツと接するフレーム外面に塗装が付着し、
剥がれた箇所と、残っている箇所でガタガタになっています。

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まずネジ山に関してですが、きれいに整っていないと正確なトルクが掛けれません。
正確なトルクが掛けれないと、緩みが発生したり、逆に取り外しが困難な
状況に陥ってしまう事もあります。
もちろん、メンテナンス性に大きく悪影響を及ぼします。
ネジ山を整えるタッピングと呼ばれる作業です。
IMG_4913.JPG
そしてこちらは外面の塗装を浚うフェイシング作業。
ちなみにこれらの工具、結構お高いんですよ。
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綺麗に整いました。
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手でスルスルっとねじ込み、工具でぎゅーっとトルクを掛けます。
これらの精度の高さは、曖昧さに頼らない確実な作業に繋がります。
確実な作業は、仕事の個体差を埋めます。
IMG_4948.JPG
また、フレームの様々なネジ山では、汗や雨で錆が発生することがしばしば。
全て綺麗に整えます。
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刃物の先から錆や固着した汚れが見えます。
錆びや汚れによるネジ部の固着は、ワイヤーを張ったり緩めたりする
調整作業を行う事が出来ません。
IMG_4943.JPG
さらにボトルホルダの取り付け台座。ここも少し錆が発生していました。
スポーツドリンクは大敵です。
ここが固着してしまうと、緩まないどころか、無理に回した時に
ボルトの締めこみ先であるナット(フレーム側)がフレームから外れて
ガタガタになってしまいます。
IMG_4952.JPG
日々、地道な作業を行っています。
スポーツバイクは、一般車(いわゆるママチャリ)とことなり、
より限られた使用目的の為に作られています。
バイシクルカラーでは、初めてスポーツバイクをご購入頂くお客様も多くご来店されます。
専門的な作業や必要なメンテナンスも、「お客様のため」ではなく、
「お客様の立場に立ち」出来る限り分かりやすく、お話しさせて頂いています。
「お客様のため」では、独りよがりな売り手目線から脱却できませんよね。
伝わってこそ技術だと思います。
久しぶりに、大学でデザインを学んでいた事を思い出しました。